アクネ菌がニキビを起こすメカニズム
ニキビを引き起こす菌として有名なアクネ菌(ニキビ菌とも言われている)。アクネ菌がどのようにニキビ引き起こすのかご紹介します。
アクネ菌とは
実は、アクネ菌は誰の皮膚にもいる常在菌です。老若男女だれの体にもいるポピュラーな菌です。このアクネ菌の特徴は、皮脂の存在なくして生きられないという点です。皮脂を栄養として成長・増殖します。そのため皮脂量の多い箇所にアクネ菌は集中します。
ヒトの脂量の多い箇所(脂漏部位)は、以下のとおりです。
- 頭
- 額
- 眉間
- 鼻
- 顎(あご)
- 前胸
- 肩甲骨の間
- 陰部
アクネ菌のもう1つの特徴は、嫌気性です。酸素の少ない箇所を好む性質があります。正常な毛穴であれば、酸素がいきわたるため、急激にアクネ菌が増殖することはありません。
ただし、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が異常をきたすと、毛穴が詰まり、空気がいきわたらなくなります。そうなると、酸素の少ない環境を好むアクネ菌が増殖し始めます。
アクネ菌が炎症をおこすメカニズム
以前は、ニキビの原因はアクネ菌の感染が主な原因といわれていました。ただし、現在の研究では、アクネ菌だけでなく、皮脂の酸化が注目されています。
アクネ菌は代謝物として、ポルフィリンという成分を出します。このポルフィリンが紫外線に当たると、大量の活性酸素を発生させます。これが皮脂の酸化を進めます。
活性酸素は皮脂を遊離脂肪酸や過酸化脂質にかえて、周囲の細胞を傷つけます。傷つけた細胞に細菌が入ると炎症がおこりニキビになります。さらに、そこに細菌を倒すために白血球が集まると、細菌へ攻撃しつつ、健康な細胞も攻撃してしまうため、炎症が大きくなります(赤ニキビの状態)。これがアクネ菌が炎症を起こすメカニズムです。
少し専門用語が多くなってしまったので、簡単にまとめると、以下のようになります。
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皮脂が大好物&酸素が苦手なアクネ菌が増殖する
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アクネ菌の代謝物「ポルフィリン」が出る
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ポルフィリンが紫外線に当たると皮脂が酸化する
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酸化した皮脂が細胞を傷つけて炎症を起こす
ニキビを改善するためには
アクネ菌によるニキビのメカニズムを理解すると、自然と予防・治療の方法が見えてきます。日ごろ私達ができることは以下の2点になります。
- 1.毛穴がつまらないようにする
- 2.紫外線対策をする
肌のケアはこの2点を気をつけるだけでニキビは改善されます。
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