ニキビ痕の種類と治療方法

ニキビ痕にはいくつか種類があり、中にはスキンケアだけでは治療が困難な場合もあります。早くニキビ痕が治せるよう正しい知識と治し方をご紹介します。

ニキビ跡ができる理由と種類

白ニキビや黒ニキビの炎症をともなわない初期段階のニキビは、皮膚表面にできるため、治療をすればほとんど痕は残りません。しかし、赤ニキビや黄色ニキビになると、皮膚の深部(真皮)まで炎症が広がり、毛包破壊が生じます。白血球が炎症部分の細菌を倒すために攻撃をはじめますが、その際に白血球が正常な細胞まで攻撃をしてしまうため、細胞が傷つきニキビ完治後にニキビ痕ができてしまいます。

ニキビ痕には、大きく分けて3つがあります。

  • 1.色素沈着
  • 2.皮膚陥没(クレーター)
  • 3.ケロイド状

1.色素沈着

ニキビが治った後も、赤い跡が残ったり、茶色いシミになったりするのが色素沈着です。赤いニキビ痕と、茶色いシミは、それぞれ違う理由からできます。

赤いニキビ痕

炎症したニキビが治っても、赤い痕が残っている状態です。人の皮膚は怪我をすると、その周囲に毛細血管が増えて傷を治します。赤ニキビや黄色ニキビのような炎症をともなうニキビの場合も同様に、その周囲に毛細血管が増えます。毛細血管が多いと血液も多く集まるため、皮膚が赤く見えます。赤いニキビ痕は、ニキビ完治後も毛細血管が多く張り巡らされているため、肌が赤く見えるのです。

赤いニキビ痕は、ニキビが再発しなければ1年ほどで自然治癒することもあります。

茶色いシミのようなニキビ痕

茶色いシミのようなニキビ痕は、炎症後色素沈着が原因です。炎症が起きているときに、強い紫外線にあたることで、メラニンが生成されます。赤ニキビや黄色ニキビができたときは、UVケアをおこない、できるだけ紫外線を避けるようにしましょう。

茶色いシミのニキビ痕は、ビタミンC誘導体配合の化粧品を使うことで、改善することができます。

2.皮膚陥没(クレーター)

皮膚陥没(クレーター)は、ニキビで強い炎症が起きた際に、皮膚深部の真皮に傷がついてできます。皮膚のコラーゲンの再生させないと陥没した肌はもとには戻りません。成長期の学生であれば、軽度の皮膚陥没であれば自然治癒する可能性はありますが、大人の場合は学生ほど新陳代謝も活発ではないため、自然治癒はしません。そのため、スキンケアだけで治すのは困難といえます。

ケロイド状のニキビ痕

陥没ニキビ痕とは反対に、皮膚が赤く盛り上がったケロイド状のニキビ痕もできることがあります。この原因は、ニキビの治癒の過程で、皮膚が再生しようとコラーゲンを多く作りすぎてしまうところにあります。ケロイド状のニキビ痕もスキンケアでは治すことはできません。皮膚科やクリニックで治療する必要があります。

ニキビ痕の治療法

皮膚陥没(クレーター)やケロイド状のニキビ痕を治すのは、スキンケアでは難しいため、専門の皮膚科で治療をおこないましょう。ニキビ痕の治療にはいくつか方法と注意点があります。

  • 1.瘢痕(はんこん)切除
  • 2.ステロイド局注療法
  • 3.コラーゲン注射療法
  • 4.削皮術
  • 5.ケミカルピーリング
  • 6.レーザー治療

瘢痕(はんこん)切除

瘢痕切除は小さなニキビ痕に用いられます。手術によって切除をおこないます。

2.ステロイド局注療法

ステロイド局注療法は、ケロイド状・肥厚性瘢痕のニキビ痕に有効とされています。トリアムシノロンアセトニドを浸潤させるようにニキビ痕に注入します。肌が平坦になるまで数回繰り返します。

3.コラーゲン注射療法

コラーゲン注射療法は、皮膚陥没(クレーター)のニキビ痕に効果的です。コラーゲンを真皮(皮膚の深部)に注射して陥没した皮膚を膨らませます。コラーゲンは6ヶ月~2年ほどで体に吸収されるため、効果は長くは続きません。

4.削皮術

削皮術は高速度皮膚用グラインダーを用いて、ニキビ痕とその周囲の正常な皮膚の真皮(皮膚の深部)の浅い部分を除去します。ニキビ痕の真皮の新陳代謝を促し、正常な皮膚とニキビ痕の境目を滑らかにします。刺青(いれずみ)の切除などにも活用されます。

5.ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、赤みのあるニキビ痕や軽度の陥没ニキビに効果的です。またシミ・くすみの軽減にも役立ちます。ケミカルピーリングの方法は、皮膚に薬剤を浸透させ、古い角質を溶かします。薬剤の種類や濃度を変えることで、溶かす深さを調整します。削皮術と同様に皮膚の新陳代謝により、ニキビ痕をボカス効果があります。

6.レーザー治療

レーザー治療は、削皮術やケミカルピーリングと論理は同じで、レーザーによって皮膚の深部に小さな傷をつけての真皮の再構築を促します。レーザー治療には大きく分けて、炭酸ガスレーザー、フレクセルレーザー、ブリッジセラピー(アンコア)、クールタッチレーザーの4種類があります。


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